いふいふほぼほぼもしもし

低燃費オタクの脳内です

30歳、ダンスをはじめる

私は物心ついた時からのジャニオタである。

姉がKinKi Kidsが好きで、ローソンプレゼンツKinKi KidsライブのVHSを祖母がプレゼントしてくれて、姉と共に何度も、何十回も観た。たぶんまだ5歳〜6歳のころ。幼児ながら切ない楽曲と、1曲目のキスミスで美しくターンするKinKi Kidsが大好きだった。

今思えばダンススクールに憧れはあったのかもしれない。家で少クラの録画を繰り返して見返して振りコピしていた。ゴメンネジュリエットのサビの振りが好きで山Pのバックダンサー、、つまりジャニーズJr.の気持ちになって、リビングで1人DVDを何度も巻き戻して覚えていた。な、懐かしい〜エモエモ!

大人になってからスポーツクラブのダンスクラスで1〜2回踊ることはあったし、体験スクールに行くこともあった。ジャニーズJr.になりたい!そんな気持ちでがむしゃらに踊ってみた。けど、なかなか通うまで踏み切れず30歳になった。

私はふぉ〜ゆ〜というアイドルが大好きで、その夏に観た舞台「Only 1, Not No.1」の影響もあったと思う。小柄な女性ダンサーさんが彼らと同じ舞台で肩を並べて熱く踊る姿に胸が震えた。心がボウボウと燃えて、私も肩甲骨を意識して手を大きく広げてみたい!あんな風に踊れるようになりたい!なんか、諦めたくない!やりたいこと、やりたい!そんな感情でいっぱいになった。そして何より、新しいことを始めたい!と思っていた私は近所のダンススクールを調べた。徒歩10分もかからない場所で、大人クラスが通いやすい時間に設定されており、値段もそこそこ。

とはいえ自信がなくて、行こうか悩んだ。一歩が踏み出せなかった。だけど大阪で当たると噂の占いに行って「あなたは社交的だけどビビりだから知らない場所には踏み込まない」と言われてから、なんだか悔しくて少しだけ勇気を出して新しい場所に踏み込んでみることにした。

体験初日、空気感が大好きな場所で、新しいコミュニティを見つけたときの心のあのきらめきを感じた。

【30歳になってダンスはじめました】ってなんだかものすごく面白エピソードだし、何より「ふぉ〜ゆ〜に憧れてダンス始めました」ってものすごくふぉ〜ゆ〜のファンっぽくて個人的に自分自身のことが好きになれそうな気がした。ストレスチェックでよく「自分のことを表現することができるコミュニティがあるか?」と質問されるが回答に悩む私にとって足りないピースを一つ手に入れるような感覚だった。

現在、通い始めて通算2.5ヶ月目くらい。まだまだまだまだ駆け出しも駆け出しだけど、すでに心境とか、思考の変化を感じている。

ダンスを始めたばかりの1月にふぉ〜ゆ〜のライブを観た。私はアイソレ(アイソレーション。インド映画みたいに首だけ動かすダンスのように、身体のひとつひとつの可動域を広がる練習やその動き)がものすごく苦手で、先生のしなやかでかっこいい動きに毎回感動している。そんな中のふぉ〜ゆ〜。

ものすごく当たり前のことだけど、アイソレの一つ一つがかっこいい。しなやかさと美しさ、筋肉の動き方。これまではわからなかった姿が高い解像度で観られるようになった。もちろん私が全然知識がなかった、というのは否めないが…

それでもJellyfishで流れるコンテンポラリーなんて理屈抜きでも美しいのに、理屈が入ったらもっともっとかっこいい。

それに、始めたばかりの身なのに「どうして私は先生が言うこと通りに踊らないんだろう」と悔しくて、申し訳なくて(全然そんな先生ではない、むしろ楽しもう〜!タイプ)通うことを改めて悩んでいた。でも、ふぉ〜ゆ〜が楽しく、美しく、丁寧に、力強く踊り、何よりそれぞれの個性を改めて感じて観ていたら「先生コピーをすることも大事だけど、大事なのは先生が伝えたい意図を汲んで表現することではないのか?」と咀嚼することができた。

もちろんバラバラに踊るわけでもなくて、全体を俯瞰で見た時にまとまっているというか、バランスは大事だし、そこが難しい。だからこそ先生の指導を考えて、注意して、練習して、音が乗ってきたら音やリズムに身をまかせて、練習したステップや振り付けを馴染ませる。ストレッチ、筋トレ、アイソレ、カウントでの練習。基礎の積み重ねが全ての魅力に繋がる。そんなことを全て踏まえてステージに立つふぉ〜ゆ〜のことがもっともっと大好きになって、尊敬する気持ちがさらに強くなった。

 

ふぉ〜ゆ〜だけでなく、女性ダンサーさんにも自然と目が行くようになった。これまでも全く観ていないわけではないけれど、「この人はこういう動きが得意なんだろうな」とか、女性でもかっこよく踊る踊り方とか、セクシーさの魅せ方とか、勉強になることが多い。何よりも、自分がこれまで観てきたステージは日本でも最高峰の人たちを当たり前のように享受し、なんて贅沢なものを観てきたんだろうとようやく気がついた。

この前も踊ってみて、この動きはこうした方が身体がやりやすいけど、かっこよく見せるにはこうした方がいいんだな、とか、自分の身体を理解して踊ることとか、観劇したことがものすごく自分に還元されていると思った。先生への質問も自然と出てくるようになった。

きっかけにもなった舞台「only1〜」も思い出すと自分自身として踊るだけでなく、役として踊って感情も乗せて、カウントは緻密に決められていて、、、、ってもうそんなことできる?!あの舞台に関わる人全員すごい!と、今まで以上にミュージカルに対して感動する気持ちが昂ってしまってメイキングを観ていたら前見た時より泣いてしまった。

長くなったけれども、ダンスってすごい。覚えられないことばかりだし、カタくて変な動きで恥ずかしいことばかりだけど、でも恥を捨てて、自分や隣の人と並んで踊っていると忘れそうになる大事なものを取り返せる。生きてるだけで欠けてしまうピースをまた違う色だったり、形ではあったとしても取り戻せる。何より、とんでもなく楽しい。

 

将来は健康に踊っていたい。近々SHOCKを観る予定があるが、美波里さんの姿を焼き付けたい。踊れるって、本当にかっこいい!