※11/21 ネタバレ以降の初っ端①-1)の考察は関係なさそうなので訂正しました※
大手町でまさかこのような舞台が催されていたと誰が考えるだろう。
みいつけた!のオフロスキーでおなじみ、小林顕作さん演出の舞台(という割にめちゃくちゃ歌って踊る)「BORN 2 DIE」(略称:B2D)
主演はあの二宮和也さんも話題に上げるほど注目度抜群、今年結成10周年、全国ツアー中、でもCDデビューしていないジャニーズでおなじみ:ふぉ〜ゆ〜
まあとりあえずはじめてのPV見てくださいよ
で、そんな彼らの主演舞台のあらすじはこちら:
https://event.1242.com/special/b2d/
昨日東京第一陣であるよみうり大手町ホールでの公演が終わり、衝動に駆られております。
書かねば、と。
ネタバレしない感想を言うと「笑える、滅茶苦茶、男子校ノリ、後半はほぼ銃声」こんな感じ。
2回も運良く観られた私は今日仕事をしながら気がついてしまった。「笑えるホラー」という言葉を殺人事件とその他ワッショイワッショイな展開で片付けようとしていたが、様々な方々のツイートを見るうちにもしかして?がふつふつと湧き上がり、書き連ねたくなってしまった。
ネタバレせずにおすすめする方法としては
①伏線好きな人はきっと好き
②細かいこと考えなくても笑えるシーンばかり!90年代の世界観に乗せてバキバキの歌とダンスが楽しめる
という十分すぎる理由がありながら!
「もしや、あのシーンのあれは…」
なんて、考察しがいがある旨みのある作品です!
以下、ネタバレします!
※もちろん多くの方が既に感じていたり、違う考えや私の考えすぎはあると思いますが、私個人の考察です
①【死の世界ループ説】
正直導入部分に伏線祭り。始まる前から伏線祭り。
1)逆さであること(21/11/21訂正)
訂正点:
21/11/10「じゃんまけ」へ訂正
→11/21 逆さごとは取り入れてないかも?なので、参考までに…
大丈夫さが流れ終わると幕が上がる、そこには談笑し、じゃんけんを始めるふぉ〜ゆ〜。
このじゃんけん、パンフレットには「じゃんまけ」と記載されている。
※11/21追記:辰巳くんが「じゃんけん」と言う一方でみんなは「じゃん負け」と言ってる?
劇中で勝ったメンバーがその都度一発芸を披露(つまり罰ゲーム)を行う。罰ゲームは通常負けた人間がやるものであり、「じゃんまけ」と称する以上、勝つ人間が罰ゲームをすることは一般的ではないだろう。
「じゃん負け」解説:
https://bosesound.blog.fc2.com/blog-entry-437.html
そこで出てくるのが一般的には縁起が悪いとされる「逆さごと」という考え方である。浴衣を逆にしてしまうと死んでるよ!と言う意味になるあれ、である。
https://www.aeonlife.jp/knowledge/glossary/sakasagoto/
逆さごとはあくまで死の世界であることの「匂わせ」にすぎない。
→11/21追記:勝ち負けに対する罰ゲームは本人たちのその日の気分と思われる。
逆さごとを無理やり当てはめるなら雄大のみが「じゃんけん」と言っている説。
2)震える雄大
これは私も1回観た後に「あの時から辰巳くん震えてるもんね」というツイートを見かけ、2回目に確認した。
劇中で、事件後発見される辰巳雄大演じる小学生は、ガタガタと震えている。
時を戻し導入部分である楽屋シーンでも雄大は1人ガタガタと震えはじめる。
導入の部分で雄大が震えている、ということは1度作品を観たからすれば「あの物語が繰り返される」ということが匂わされているのではないだろうか。
死ぬ物語を繰り返す、というのは続編も制作されるほどヒットした「ハッピーデスデイ」のように、ホラーでは1つのお決まりの展開である。
ここでタイトルをもう一度。
「BORN 2 DIE」
死ぬために、生きるのである。
3)サウナの意味
導入で越岡・福田・松崎はサウナに出かけ、雄大は1人楽屋に残り、おもむろに漫画BORN 2 DIEを読み耽り、気がつくと漫画の世界に入りこんでいる…とここまではパンフレットにも記載されている内容である。
劇中、サウナは本人達が異世界転生をしている、ということを思い出すきっかけになるのだがサウナにも意味が?まさか…と思い調べた。
すると出てくるサウナの歴史。
昔、フィンランドではサウナでは出産がされるなど、「生と死」が関わる神聖な場であるとされてきたという。
https://www.visitfinland.com/ja/kiji/finlando-jin-to-isshoni-sauna-ni-hairou/
なお、こちらのサイトにはこのようなことが記載されている。
「ほんの2~30年ほど前まで、サウナはこの世への入り口であり、出口でもありました。女性はサウナの中で出産し、人が死ぬと最後にサウナの中で遺体が洗われました。」(原文ママ)
「サウナの中ではすべての人が平等で、知らない人同士でも期待しなかったほど深い話をすることができるのです。」(原文ママ)
1つ目を元に考えるのであれば、サウナに向かう3人は死ぬための世界に向かったのではないだろうか。
そして、2つ目の内容は劇中で松崎演じる世紀末を恐れ、招こうとするバイブが歌う内容とリンクする。
めちゃくちゃサウナアピールするじゃん。ハマってるんだね!くらいにしか思っていなかったが、もしかするとこのくらいの意味は込められているのかもしれない。恐るべし、小林顕作氏。恐るべし、脚本を手がけた川尻恵太氏。
※なお、川尻さんは直近でも少しホラー要素のある作品を描いているようです。気になる。。
4)本当に?と尋ねる越岡福田の表情
初見のとき、1番ゾッとするのはカーテンコールのシーンではないだろうか。
先程まで死に絶えていた出演者たちは立ち上がり、にこやかに会場に手を振る。
場内は拍手に包まれ、出演者たちがお辞儀をする。
しかし不穏な音楽が流れ、照明はおどろおどろしくなり、出演者たちは全員青白く照らされ、無表情のような、目を細くしのっぺりとした顔でこちらに微笑みかける。
こちら、終わったと思ったら実は終わっていなかった、のパターン。ホラーの王道。これはフィクションなのか?現実なのか?物語なのか?曖昧にすればするほど後味は悪くなり、ホラーとして旨みが増す。
実はこの表情、同じような顔を序盤にもしているのである。
それは雄大が「メンバーのことは何があっても殺さないよ」と訴えかける場面。
越岡、福田は「本当に?」と同じ表情で雄大に問う。
(曖昧ではあるが)たしかに目を細くしのっぺりとした顔で雄大を見つめる2人。
カーテンコールの死者達と同じ表情であるとしたら、雄大を見つめる顔が意味するものとは…
以上の4点から、
1・雄大はサウナというあの世とこの世を渡らず、漫画という手段で異世界に迷い込み
2・死ぬために生きる3人はまた死ぬために異世界へと続くサウナへ向かい
3・物語は何度も繰り返す
という、この作品の大まかな流れが導入部分で描かれているのではないだろうか。
なお、劇中にて早々にふぉ〜ゆ〜の名前を改めて歌い踊るめちゃくちゃかわいい(そしてかっこいい)楽曲があるのだが、これすべて雄大(You die)への伏線と思うとめちゃくちゃ豪華。
You die話を出したのでついでにサクッと。
②【4Uである意味】
ここからは考察というか妄想みたいな話。
・ポスターに記載されている4U.の文字。ロゴか〜としか捉えていなかったが、もしかして4=死? 死(の世界を)あなたに?
・夏はSHOW BOY(全年齢対象のディズニーみたいな世界観)、秋はB2D。
・ふぉ〜ゆ〜は明るく楽しいイメージがある一方で挫折や苦労という側面も持つ。まさに最後には多幸感でいっぱいのSHOW BOYに対し、ダークなB2Dは季節と作品を通したふぉ〜ゆ〜の新たな表現?
(だとしたらSHOW BOYを受けてこの作品を打ち出す厨房カンパニーの才能に脱帽)
・というのも、合唱部を描いた海外青春ドラマGleeという作品があるが、明るく全年齢対象!と言わんばかりのこの作品を作った製作陣、Gleeとは正反対のものを、と「アメリカンホラーストーリー」というバッチバチのホラードラマを世に送り出している。
・前年度まで同カンパニーで行われていた「厨房男子」シリーズが明るく楽しかった青春ストーリーであったように、正反対のものを、というテーマで作られたのだとしたら…?
・なんなら東宝の「SHOW BOY」に対しネバシナ、スマホ、ッぱちなど死が多少でも絡んでくる作品を送り出してきたニッポン放送制作のB2Dという対比…?
ホラーだとようやく自覚した途端気持ちが止まらずここまで想像が掻き立てられてしまった。
もしもこのブログを読んで気になる、と思った方。もう少し確認したい!と思った方。
ぜひ#B2D譲 もしくは 当日券で!ぜひ!
こういう話苦手でなければぜひ!
いろいろ言いましたが爆笑できるとんでもないちょいホラー作品です!
本当に面白いんです!私のこの文章なんて正直ネタバレでもないです!観たらネタバレとかどうでもよくなるくらい楽しいと思うんです!
東京は11/17〜12/1まで銀座博品館劇場で
大阪は12/4〜5に松下IMPホールにて
上演されますので!
お気軽にぜひ!!!!!!
歌とダンスもたくさん見られるので!ぜひ!
追記:来年は何する?とカーテンコールで言っていたのを見ると、もしかしたら今年限りの演目なのかも、、2021年限定?!日本人の大好きな限定モノ?!き、気になるぅ〜〜〜!(cv.タエ子)